愛と死 武者小路実篤
著者: 武者小路 実篤
タイトル: 愛と死
武者小路実篤という、その名のぎょうぎょうしさから、「とっつきにくい本だろう」というイメージを抱いていました。
そんな人多いのでは?
しかし、読んでみると面白く・・というより主人公の”のほほん感”におもわず
微笑んでしまうのです。
生真面目で、自分の論理に反する事を受け入れられない・・
よって、恋愛では損をしがち。
でもへこたれず、自分のペースでひょうひょうと生きていく・・
その姿が可愛らしくもあります。
愛と死の結末はいささかあっけなすぎる気もしますが、この終わり方も武者小路実篤らしさではないのでしょうか?
ここで、気も狂わんばかりにじたばたする主人公像は実篤作品らしくないですもの。
現実に起こる幸不幸をじっくりとかみしめながら生きている・・そんな”しなやかな強さ”を教えてくれました。