刺す  宇野千代 | tomokoの読書感想文

刺す  宇野千代

宇野千代作品が好きでよく読みます。全ての作品を読んだわけではありませんが、おそらく宇野千代作品の中で私がもっとも好きな本です。



宇野千代自身のスタイル社にいたころの体験にもとずいて書かれたものだと思われます。

夫婦で経営する会社が大成功をおさめてから、夫婦間でひろがっていく亀裂に妻はうすうす気が付きながらも仕事を優先。そしていつのまにか収集がつかなくなり、やがて会社経営もうまくいかなくなっていく・・


と書いてしまえばただの昼メロみたいになってしまいますが。。心のはなれていく夫を主人公が冷静に見ているんです。そういうくだりが恐ろしいというかなんというか。


著者: 宇野 千代
タイトル: 或る一人の女の話;刺す

結婚した女の立ち位置を踏み外さないように諭してくれる。

仕事と家庭を持つ女性に、ぜひとも読んでいただきたい一冊。