tomokoの読書感想文 -3ページ目

女の日記 宇野千代

勇気を与えてくれる言葉です。本文引用》

どんなに好ましくないことからでも、逃げるのは負けである。

真に逃れるためにはそのただ中へ進んでいくこと

すると事情はまるで変わる

宇野 千代
女の日記

うたかた  吉本ばなな

人を好きになるということを、素敵に表現した文章だと思います


本文引用

人を好きになることは本当にかなしい。かなしさのあまり、その他のいろんなかなしいことまで知ってしまう。果てがない。

嵐がいても淋しい、いなくてももっと淋しい。

いつか別の恋をするかもしれないことも、ごはんを食べることも、散歩するのもみんなかなしい。

これを全部”うれしい”に置き換えることができるのも、ものすごい。


東京タワー  江国香織

才能さえあれば、人は自由に生きれる


努力は使うべきろきに使うべき場所でするもの

池波正太郎の食随筆

季節のうた  佐藤雅子

著者: 佐藤 雅子
タイトル: 季節のうた
著者: 佐藤 雅子
タイトル: 私の洋風料理ノート―おそうざいからお菓子まで

お気に入りの本屋さんのオーナーが薦めてくれた本。


今でこそカリスマ主婦がもてはやされていますが、佐藤雅子さんは、その先駆けとなった方なのだそう。

エッセイの文体はとても優しく、その暮らしぶりは「ていねいな暮らし」というより「最上級の暮らし」といったかんじ。

贅沢なのではなく、気の配り方が最上級なのです。


主婦としての誇り、家族への愛が文面からにじみでていて感涙を誘うほど。


お料理の材料も、どのお家の冷蔵庫にも眠っていそうなものばかり。


そしてさらに特筆すべきは、写真アングルの素晴らしさかもしれません。


数十年前のテーブルコーディネート、写真アングルとは思えないほどしゃれています。


気配り上手はすべてにおいてセンスが良いのだ・・そう改めて感じております。

ニューヨーカー短編集

都会的で、洗練されていて、読みやすい。


アメリカの雑誌「ニューヨーカー」で連載された短編小説集です。


いつかわたしに会いにきて  エリカ・クラウス

2001年のアメリカニューヨーカーで掲載された「他人の夫」で注目されたエリカ・クラウスの短編集。

このなかに「他人の夫」も納められています。


皮肉なユーモア、鋭い洞察、韻をふんだように軽妙で読みやすい文章。

20代、30代の女性がぎくりとするようなことを、さらっと読ませてくれる本です。


例えば話題を集めた「他人の夫」の冒頭分はこう。客観的で冷静で怠惰。

著者: エリカ クラウス, Erika Krouse, 古屋 美登里
タイトル: いつかわたしに会いにきて

私は他人の夫と寝るのが好きだ。そういう関係にならないようにはしている。

精神的にも衛生的にも好ましい事ではないからだ。

精神科医にかかっているし、婦人科医にもかかっている。

それでも、どうしても他人の夫と寝てしまう。

刺す  宇野千代

宇野千代作品が好きでよく読みます。全ての作品を読んだわけではありませんが、おそらく宇野千代作品の中で私がもっとも好きな本です。



宇野千代自身のスタイル社にいたころの体験にもとずいて書かれたものだと思われます。

夫婦で経営する会社が大成功をおさめてから、夫婦間でひろがっていく亀裂に妻はうすうす気が付きながらも仕事を優先。そしていつのまにか収集がつかなくなり、やがて会社経営もうまくいかなくなっていく・・


と書いてしまえばただの昼メロみたいになってしまいますが。。心のはなれていく夫を主人公が冷静に見ているんです。そういうくだりが恐ろしいというかなんというか。


著者: 宇野 千代
タイトル: 或る一人の女の話;刺す

結婚した女の立ち位置を踏み外さないように諭してくれる。

仕事と家庭を持つ女性に、ぜひとも読んでいただきたい一冊。

すばらしい雲  F・サガン

印象的な言葉

自分の世界以外に興味を持たない男は決して一人前になれない

著者: フランソワーズ サガン, 朝吹 登水子, Francoise Sagan
タイトル: すばらしい雲

悲しみよこんにちは  フランソワーズ・サガン

著者: フランソワーズ サガン, 朝吹 登水子, Francoise Sagan
タイトル: 悲しみよこんにちは

ものうさと甘さがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名前をつけようか、と私は迷う。


という冒頭文で始まるサガンの名作。

初めて読んだ時、この冒頭文に鳥肌がたった。


かつて森瑤子が自分の著書のなかに「サガンの作品を読んだとき、衝撃をうけた。なぜならこの世に18歳にして完成された小説世界も持つ少女が存在することを知ってしまったからである。」

とサガンについて記していた。