tomokoの読書感想文 -5ページ目

素顔のグレース・ケリー



著者: ジェームズ スパダ, 仙名 紀
タイトル: グレース・ケリー―プリンセスの素顔



著者: NoData
タイトル: グレース ケリー [ポスター]

中学生の頃、グレタ・ガルボやマレーネ・ディートリッヒ、エリザベス・テーラー、グレース・ケリー、オードリー・ヘップバーン、エバ・ガードナーなどなど・・ハリウッド黄金期女優たちの主演映画に夢中でした。

そして、彼女達の伝記もむさぼるように読んでいました。

中でも私はグレース・ケリーが好き。彼女のエレガンスな身のこなし、クールビューティーと賞賛された美しさ、ハリウッド女優からモナコ王妃へ転身した彼女のドラマチックな運命・・。

そんな彼女の意外な一面がこの本には書かれています。

料理王国 北大路魯山人




著者: 北大路 魯山人
タイトル: 魯山人の料理王国

心の背筋がピンと伸びる本です。

味覚日乗 辰巳芳子




著者: 辰巳 芳子
タイトル: 味覚日乗

最近なんだか忙しくって、やっつけ仕事でお料理してるわ・・と感じている人。一度辰巳芳子さんの哲学にふれてみてはいかがでしょう?

「季節の素材を選び、心をこめてつくる」
家庭のお料理本来の意味に気付けるはず。

エプロンメモ 暮らしの手帖社




著者: 大橋 芳子
タイトル: エプロンメモ



著者: 大橋 芳子
タイトル: エプロンメモ〈2〉

家事全般に関してのちょっしたアイデアがつまっています。
挿絵が可愛い。これらの挿絵は個暮らしの手帖編集長であった、故花森氏のてがけたもの。

スカーレット A・リプリー



著者: アレクサンドラ リプリー, Alexandra Ripley, 森 瑶子
タイトル: スカーレット



著者: マーガレット ミッチェル, Margaret Mitchell, 早野 依子
タイトル: 明日は明日の風が吹く―女はすべてスカーレット

賢さとも、あざとさとも言いかえれそうで、言い換えるこのができない究極の強さ。スカーレットが現在でも魅力的なヒロイン像として挙げられる要因があるとすれば、それであると思います。

その深さはスカーレット自身すら気づいていないに違いない。「風」から、「スカーレット」三巻までは、ひたむきに前をみて突っ走る彼女の姿しか印象に残らないのだが、スカーレット第4巻で始めて、円熟味を見せるスカーレット。

30歳を迎え、レットを失い、愛娘キャットを得る。この途方もなく大きな喪失感と充足感を背負うことでスカーレットは女の質が底上げされたのでは?

その中でレットへの思慕を表す文章はこちら。

どんなにきれいに着飾ったって、真に見て欲しい人はいない。完璧なレディを演じるのも、領主館を美しい屋敷によみがえらせても、それを見せたい唯一の男、レットがいなければ全てはあまりにも虚しかった。

スカーレットの中にある喪失の裂傷は彼女が考えるほど、小さなものではなかった。彼女には何かに打ち込む、そのもとになるものが無かった。

その頃のスカーレットは風に吹かれる葦そのものであった。
傍で色々指図してくれるのはありがたかった。忙しくしていれば、心の奥底の傷を覗き込まずにすむからだった。




読者の立場から言えば、その喪失感にスカーレット自身が気付いていないところが、その傷の深さを物語っていると思いました。




星の王子さま サン=デグジュぺリ



著者: サン=テグジュペリ, Antoine de Saint‐Exup´ery, 内藤 濯
タイトル: 星の王子さま―オリジナル版

王子様が旅で出会う事象に、世の中の矛盾を重ね合わせている本なのですね。

小学生の頃は、そんなことに気がつきもせずただただ冒険物語として読んでいたのに・・・

大人になっても持っておくべき本(?)

もめん随筆  森田たま

著者: 森田 たま
タイトル: もめん随筆

四季のうつろい、女性について、お料理のこと・・・ていねいに暮らすことを教えてくれる女性のためのエッセイ。かと思いきや、当時、著書に記すにははばかられたであろう事柄について鋭い意見なども。

装丁が美しく、私の本棚では女王様格の本なのです。

繊細さ、多少の気の強さ、主婦として母としての顔などなど、森田たまさんの魅力がいたるところにちりばめられています。

女性が仕事を持ち成功することが珍しかったであろう当時に、それと家庭を両立していた聡明さ。素晴らしいと思います。

女ごころ サマセット・モーム



著者: モーム, 竜口 直太郎, William Somerset Maugham
タイトル: 女ごころ

モームの有名な著書「雨」「月と6ペンス」よりも先に読んだのがこちら。

短編なのであっという間に読めました。

主人公は美貌の未亡人。この若き未亡人に言い寄それぞれタイプの異なる3人の男を通し、恋愛って何?男選びって何?
そんなことを問われた気がします。

私の考え・・・・
恋愛は「偶像に恋する事」と「その人を好き」ということはしばし混同しがち。
でも、それら2つは天と地ほども違う。

物語のエンディングでのヒロインの決断は、ヒロイン自身も意外であったと思います。

男選び=「自分の同類を知る、等身大を知る、自分と合わせ鏡のような人を選ぶ」
そのためには自分を知る事が必要?


恋愛は「自分と向き合う作業」でもある?

痴人の愛 谷崎潤一郎




著者: 谷崎 潤一郎
タイトル: 痴人の愛

初めて読んだのはたしか大学一回生の頃。

父の本棚から偶然出てきた「痴人の愛」。ひまだったから何となく読んでいました。

面白くってページをめくる手が止まらなくなり、またたくまに読み終えてしまいました。この本をきっかけに、純文学に興味を持つように。

年端もゆかないナオミをひきとり、自分の理想通りの女に育てようとする主人公。しかし、ストーリー半ばにして、立場は逆転。

ナオミが主人公を思い通りに操るようになる。ストーリー最期の主人公の姿は
哀れを通りすぎておかしくもあるほど。

男女間の力関係の天秤があるとすれば、それを操作するその錘はなんなのでしょう?

この話に関して言えば、性と金銭・・であったと私は思います。

愛と死  武者小路実篤



著者: 武者小路 実篤
タイトル: 愛と死

武者小路実篤という、その名のぎょうぎょうしさから、「とっつきにくい本だろう」というイメージを抱いていました。
そんな人多いのでは?

しかし、読んでみると面白く・・というより主人公の”のほほん感”におもわず
微笑んでしまうのです。

生真面目で、自分の論理に反する事を受け入れられない・・

よって、恋愛では損をしがち。

でもへこたれず、自分のペースでひょうひょうと生きていく・・
その姿が可愛らしくもあります。

愛と死の結末はいささかあっけなすぎる気もしますが、この終わり方も武者小路実篤らしさではないのでしょうか?
ここで、気も狂わんばかりにじたばたする主人公像は実篤作品らしくないですもの。


現実に起こる幸不幸をじっくりとかみしめながら生きている・・そんな”しなやかな強さ”を教えてくれました。